食後30分は歯を磨かないほうがいいって本当?
2021年02月17日
先日、偶然この情報をテレビで目にすることがありました。
数年前に一時期話題になり、患者さんからもご質問を受けたことを覚えています。
ここで改めてこの情報について整理したいと思います。
この「食後」とは「酸蝕症を起こしやすい酸性食品を摂取した直後」が正しい内容です。
では「酸性食品」とは何でしょう?
食事をしていない私たちのお口の中は中性に保たれています。(PH6.8〜7)
→唾液の緩衝能
PHが小さい→酸性が強い
PHが大きい→アルカリ性が強い
歯の表面を覆うエナメル質はPH5.5以下になると溶けだします。
酸性の強い食品
レモン PH2.1
オレンジ、パイン、いちごなど PH3〜4
お酢 PH3〜4
ドレッシング PH3.1
飲み物
炭酸飲料 PH2.2(無糖のものを除く)
スポーツドリンク PH3.5
野菜ジュース PH3.7
栄養ドリンクPH2.5
お酒
梅酒 PH2.9
白ワイン PH3.3
赤ワインPH3.4
ビール PH4.3
ウイスキー PH5.o
(焼酎 PH7.2)
このような酸性食品を摂取した直後は30分程度時間をおくか、
お水で洗口してからの歯磨きをおすすめします。
酸性食品に限らず、食後のお口の中は酸性に傾きます。
食後を終えて40分程度で唾液の緩衝能により中性に戻っていきます。
しかしその間にも歯の表面にいる細菌は糖を利用しながら酸を作り、
プラークを作りながら増えていきますのでむし歯や歯周病の予防のためには
食後できるだけ早く歯磨きをすることが大切です。