マスクの中で何が起きてる?
2020年11月5日
出かける時、人と会う時、マスクをするのが当たり前の時代になりました。
マスクをしていると
「口を動かしてお喋りする機会が減る」
「飲み物を飲むのがおっくうになる」
その結果、口腔内の潤いが減ってしまうのです!
そんな今の時期だからこそ「唾液」についてお話します。
唾液は歯の健康を守ってくれるだけでなく全身の健康にも繋がっています。
①PHの調整(緩衝能)
糖分を摂取するとミュータンス菌が酸を出し、
歯面のミネラルが溶けやすい状態になります。
唾液はややアルカリ性のため口腔内を中性に戻します。
このおかげで歯が溶けにくい環境がつくられます。
②再石灰化
口腔内が酸性に傾くと歯面のミネラルが溶け出し、結晶構造がスカスカに。
そこにカルシウムイオンとリン酸イオンを補給し、
エナメル質の結晶を新しく形成するのがこの力です。
再石灰化の作用によって歯面が溶けてもすぐに歯に穴があくことはありません。
③自浄作用
食べかすや細菌を洗い流してくれるのがこの力。
自浄作用が働きやすい部位(唾液が届きやすい部位)ほど細菌は洗い流され、
酸もつくられにくくむし歯のリスクは低くなります。
④抗菌作用
口腔内は外部と接する大きな粘膜です。
外から細菌やウイルスが侵食したり食べ物などの汚れで
細菌が発生しやすい場所でもあります。
そんな粘膜で活躍するのが唾液に含まれる抗菌物質たちです。
なかでも、今注目したいのがIGA(免疫グロブリンA)!
IGA
この物質は、口腔内に細菌やウイルスなどの異物が侵入すると、
見つけて取り囲み、粘膜への付着を防ぎます。
その後異物は唾液の自浄作用によって洗い流されるので
私たちは元気に過ごすことができます。
ウイルスとともに生活している私たちにとって心強い味方なのです。
口腔内のIGAを増やすには、まず唾液そのものを増やすことが大切です。
常にマスクをしてうるおいが減っている今は特に意識的に唾液をだすことが重要でしょう。
具体的には、
・唾液腺を刺激する
お喋りをしたり口の周りのマッサージもオススメです。
(指で口の周りを押すだけでも唾液が出てきます)
・ガムを噛む
むし歯予防の観点からキシリトール100%がオススメです。
・水分補給をする
など、ためしてみましょう。
参考 オーラルケアタフトクラブvol.160より